正規分布(normal distribution)は,自然現象や社会現象において広くあてはまる確率分布です.
19世紀にガウス(Carl Friedrich Gauss 1777〜1855)が観測誤差の研究から導いたことが有名なので
ガウス分布(Gaussian distribution)
と呼ばれることもありますが,それ以前にも各分野の研究者によって導出されており,
また誤差の分布として基本的な性質を備えているために
最も多くの確率事象に適用される分布であることから
正規(normal)な分布と呼ぶようになりました.
測定誤差や社会現象あるいは自然現象の中に現れるバラツキの多くは
正規分布に従うものが多く,統計学の理論上も応用上も非常に重要で
実用性の高い分布です.正規分布は N ( μ , σ 2 )と表記し,
パラメータとして
平均 μ と
分散 σ 2 が定まれば
正規分布の形が決まります.正規分布は
平均 μ を中心として
左右対称になった釣鐘型形状をしており,
分散 σ 2 が大きくなるほど
裾野が広がる形になります.
正規分布に従わないどのような分布であっても,その標本平均の分布は正規分布で近似できる性質(中心極限定理)があります.また二項分布など確率分布の中にはその極限値が正規分布に近づくものも少なくありません.一方,推定や検定に用いられる主要な確率分布(t分布、F分布、カイ二乗分布など)は正規分布を理論基盤としています.
このように正規分布は推測統計の基礎となる最も重要な確率分布です.
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