【2017/5/22 経済学部ワークショップの模様】

《ものひと地域研究会》

グリーンスクール報告会
〜インドネシア・バリのユニークな学校〜

具志堅秀明 (ワカゲノイタリ村)

 インドネシア・バリ島にあるグリーンスクールは、先進的な教育を行う学校として最近注目を集めている。 今回のワークショップでは、沖縄の名護市で「ワカゲノイタリ村」(具志堅秀明「村長」)という村づくりを行なっている3人の若者が、 グリーンスクールを最近訪問してきたということで、その報告を行ってもらった。

 グリーンスクールは、すべて竹でできているそのユニークな校舎が有名で、近年着目をされているが、 重要なのはその教育方針である。創設者のジョン・ハーディによれば、シュタイナー教育がそのベースにある。 低学年においては美術や音楽といった学びが大切にされる。高学年以降もそれは基本的には変わらず、 英語と数的理解の他には、主にプロジェクトベースで学びを進めていくようなカリキュラムのしつらえになっている。 自然に学ぶことや地域が重要視され、それはいわゆる教科をまたぐものとなっている。 竹という自然素材でできて、また空間的にも周囲の環境に開かれたその竹建築の校舎はいわば彼らの目指す教育の当然の帰結でもあったのだろう。

 ワカゲノイタリ村の3人は、彼らの感じた感動をそのまま素直に学生たちに語ってくれた。

 そして実は今回の報告会の隠れた目的のもう一つは、彼らの取り組んでいるワカゲノイタリ村の村づくりそのものが、 ものづくり、人づくり、地域づくりという観点からとても興味深く、その紹介もしてもらうことであった。

 グリーンスクールの創設者のジョン・ハーディは、アル・ゴアの「不都合な真実」を見て地球が直面している環境問題に目覚め、 そうした社会課題の解決に取り組む子どもたちのためにフリースクールを作った。 ワカゲノイタリ村の「村長」の具志堅秀明さんも、沖縄の基地問題から生まれる対立などを背景に、 自ら主体的に平和を作り出すためには何をしたらよいかということを考えて、この村づくりに取り組んだ。 村民のリナさんやすぐるさんは、パーマカルチャーを学びながら野菜作りを行ったりしながら、持続可能な生活を模索している。 彼らは、地域とのつながりだけでなく、国をも超えた民間外交を通じてテーマの実現を模索している。

 インドネシア・バリと沖縄・名護は、距離こそ離れているが、目指しているものは極めてよく似ていると感じたし、 そうした胎動が基地問題に苦しむ沖縄で生まれていることに大いに希望を感じさせる報告会となった。  (中野 桂)