【2017/2/15 経済学部ワークショップの模様】

《日台国際交流の多面的研究 第4回》

元台湾留学生が日本・中国でのキャリアを通じて感じた日本の文化と社会

川端(汪)采京(京イノベーション株式会社 代表取締役社長)

 本ワークショップは、今年度の6月に開催された第1回目から数え、 2017年2月15日は、第4回目を開催することができました。最終回は、日本で活躍する台湾の女性起業家、 汪采京氏をお迎えし、士魂商才館セミナールームTで行われました。教員の他、社会人学生、 留学生を含めた50名を超える学部生や大学院生が参加し、熱気ある会場となりました。

 汪氏の日本での留学経験や就職体験談、日本の企業組織で直面したカルチャー・ショックや 異文化障壁がもたらすワーク・ストレスの克服など、講師の方の職業キャリアの構築を中心に、 日本人が気づきにくい日本の組織文化やビジネス慣習の特殊性についても語っていただくことができました。 日本の大学院で学ばれた元留学生としての留学経験や就職体験談は、 参加した学生達一人ひとりが自身の進路を考えるうえでも大きな刺激となったようです。 汪氏は、台湾の大学をご卒業後に来日され、京都大学大学院経済学研究科で学ばれました。 日本で就職活動を経験し、日本IBMに入社し、日本人特有の集団行動のストレスに苦しみながらも 社内での職種転換を志すなど果敢に仕事に挑まれたようです。後にソフトバンクに転職をされました。 同社では、中国広州への海外赴任を経験し、日本企業の海外事業拠点においても、 中国語ネイティブの強みを生かして活躍をされました。しかし、思うところあり、 日本において資格取得の道程を経て、日本人や日本に投資する外国人を対象にした不動産関連事業の独立起業の道を選ばれます。 汪氏の、一見すると華麗な職業キャリアの変遷は、母国を離れ留学生として異国の地で学ぶことを決意した時から、 才能だけではなく、他者の想像を超えるご苦労や努力の上にあることがうかがわれました。

 ワークショップの後半は、本学の台湾出身教員である陳韻如准教授との対談形式に加え、 フロアの学生参加者と活発な質疑応答や意見交換が展開され、充実した2時間半が瞬く間に過ぎました。 参加者は、誰もが汪氏の逞しい行動力と明るく魅力的なお人柄に惹かれ、 元留学生からみた日本社会や日本人像を通じて、さまざまな問題提起を受けることができたと思います。 最後に、この企画を支えて下さいました経済経営研究所の制度やスタッフの皆さま、 参加して下さいましたすべての方々に感謝申し上げます。  (経済学部教員 澤木聖子)