【2016/11/30 経済学部ワークショップの模様】

《ワークショップ ReD》

沖縄・高江報告会「高江の森に歌う」

きむきがん (劇団石(トル)俳優)

 2016年12月22日、沖縄本島の北部に広がる米軍の北部訓練場の一部が「返還」され、 その「返還」式典が開催された。その式典に間に合わせるかのように、 夏頃から東村高江のヘリパット(オスプレイ対応型着陸帯)の建設が急ピッチで進められた。

 今回のワークショップでは、俳優業のかたわら、足繁く沖縄に通い、 名護市辺野古の米軍新基地や東村高江のヘリパッドなどの建設反対運動に関わっているきむきがんさんをお招きして、 高江の現状について報告していただいた。

 今回のワークショップの趣旨は、運動の現場のリアリティに少しでも迫るための試みである。 大手マスコミでは報道もされなかったり、あるいは報道されたとしても断片的であったり、 またはインターネットなどの情報では真偽すら定かではない情報が氾濫する中で、 できるだけ一次情報に近いものに触れ、多角的な視点を手に入れること、さらにそれを記録することにある。

 講演に先立って、その高江での反対運動を記録した、藤本幸久・影山あさ子監督のドキュメンタリー 「高江―森が泣いている」の上映もおこなった。このドキュメンタリーは、 反対派とそれを排除しようとする機動隊との対立が先鋭化した時期を特に取り上げたもので、 その映像も苛烈である。

 この映画の上映の後に、現地の状況を話し始めたきむきがん氏は、とかく「反対派」や「運動家」 とひとくくりにされる運動に参加している人々の、日頃の生活や人柄などを写真なども見せながら説明した。

 高江や辺野古における反対闘争は、例えば1970年のコザ蜂起(コザ事件)などと同様に、 間違いなく沖縄の歴史に刻まれるものである。そうした歴史を読み解くときに、 そこに関わった一人一人の個人史から歴史を織り成すためにも、今回のきむきがんさんの報告は貴重な「証言」であった。 そしてそれは単なる過去の記録ではなく、我々に明日からの指針を明確に与えるものでもあった。
                                                  (文責:中野桂)
当日の様子 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/348509