【2015/5/18 経済学部ワークショップの模様】

《ものひと地域研究会》

贈り物に気づき、循環させる生き方・働き方をつくる

桜井肖典 (gift*Inc.代表取締役、一般社団法人オープン・ガーデン代表理事)

 第1回目となるワークショップでは、桜井肖典さん(gift*Inc.代表取締役、 一般社団法人オープン・ガーデン代表理事)にお話していただいた。 まずは、ご自身がアート領域からスタートし、起業し、 さらに現在ではソーシャルイノベーションへと展開してきたことをお話になった。

 具体的には、現代アートに関わる活動などを経て、起業。 ブランディングなどの仕事をしておられたが、 例えば校舎や制服のデザインを整えて生徒の獲得をはかっても少子化の現状では生徒奪い合いにしかならないこと、 化粧品もなぜ地域に良いものがあるのに海外に売らなければならないのかなど、やがて仕事に対する疑問も生まれた。

 また、企業経営者としては、いつしか、社員の給料を払うために仕事を作りだすようになり、 組織の維持のために働いていることに気がついた。社長にもかかわらず、会社に行きたくなくなり、 半年間も出社拒否状態で、カフェで仕事をするという経験もした。

 そうした中で、現代は大きなパラダイムシフトに直面していると実感。 それは、私たちの現在が人口爆発の最中にあって、それまでは無限と思われていた世界から、 有限性に気がついた世界へと移行して来ている、また、 みんなが今良いと思っている会社も必ずしも将来にわたって良いとは限らない、などである。

 企業はできるだけたくさん売ろうとすると考えるかもしれないが、 異なるパラダイムを志向する会社も存在する。 例えばPatagonia社は商品の製造には多大の環境負荷がかかることを認識して 「できるだけ買わないでほしい」というマーケティングを展開した。 また、オフィスがあることが当たり前のように思うかもしれないが、 オフィスの場所を定めない働き方(ノマド・ワーク)が未来にはもっと増えるかもしれない、などなど。

 ご自身の活動領域は芸術、ビジネス、ソーシャルイノベーションの接合領域であるとする櫻井さんのお話は、 まさに、ものづくり、人づくり、そして地域づくりの三つに関わるお話であり、 受講していた学生にとっても今後の生き方を考える上で示唆に富むものであったと思う。 (文責:中野桂)