【2015/3/17 経済学部ワークショップの模様】

《大学における外国語教授法ワークショップII》

International Baccalaureate(IB)教育が日本の教育を変える?

富岡真理子
(滋賀県立虎姫高等学校教諭 国際バカロレア調査研究担当)

 近年、教育改革が叫ばれているが、国際バカロレアの導入も一つの論点となっている。 そこで今期最後の「大学における語学教育ワークショップU」に、滋賀県立虎姫高等学校教諭の富岡真理子先生をお迎えして、 「International Baccalaureate(IB)教育が日本の教育を変える?」という論題でお話しいただいた。 富岡先生は、滋賀県よりIB調査研究の指定を受けた虎姫高等学校で調査研究担当としてご尽力され、 『英語教育』(大修館書店)2014年11月号にも寄稿されている、この分野のスペシャリストである。

 はじめに、教育を取り巻く状況としてグローバル化と少子高齢化を挙げられ、一人一人の生産力を上げることが求められている中、 多種多様な人材育成を行う手段の一つとして、IBが文部科学省や経済界から注目されていることを説明された。 日本政府も、現在国内にまだ20校ほどしかないIB認定校を2018年までに200校まで増やすという方針を出しており、 それに伴い、大学も入試においてIB資格及びその成績を積極的に活用することが求められてきているとのことで、 すでに活用または活用予定の大学が増えてきている中、本学も早急に検討しなくてはならないだろうと思われる。

 また、当然のことながら、IB教育についても詳細な説明がなされた。それを記述する十分な紙幅はないので、 簡単にまとめれば、自らが積極的・意欲的に情報を集め、論理的・(自己)批判的に考え、 世界に発信することのできる人間を育てるために緻密に設計された教育プログラムと言えるだろう。 実質的に世界共通語となっている英語のみならず、母語の教育も十分尊重されており、 多くの科目を日本語で教育することも可能な点も注目に値する。日本のIB認定校での授業風景もDVDで映像が流されたが、 生徒が積極的に授業に参加しており、IBの理念通りの教育が行われているように見受けられた。

 参加者の多くはIB教育を大いに評価しつつも、質疑応答では、むしろ日本で実施される際の不安要因について活発に議論された。 これまで日本で行われてきた教育方法も優れたものであり、その中でIB教育をどのように取り入れ定着させていくのか、 学習指導要領との整合性をどのように保つかなど、考えるべき論点も多いが、IBは今後行うべき教育改革に一つの指針を与えてくれることは間違いなく、 大いに有意義なワークショップとなった。 (文責:出原健一)