【2015/1/20 経済学部講演会の模様】

アカデミック・ライティングで
「論理的思考とその展開方法」を学ぶ

今村楯夫(東京女子大学名誉教授)

 2015年1月20日、12時50分から14時20分、第二校舎棟5階545共同研究室で、 今村楯夫東京女子大学名誉教授による、「アカデミック・ライティングで「論理思考とその展開方法」を学ぶ」 の講演会が開かれました。

 「講演会」と言うものの、今村先生は、資料に基づいてお話をされながら、参加者ひとりひとりに配布された紙に、 参加者の頭と手を積極的に使って書き込んで行く作業をうながしながら、お話を進められましたので、 参加者が実際に参加するワークショップの理想的なものとなりました。

 先生ご自身の経験に基づき、英語のAcademic Writing/Paperに基本的に欠かせない要素、 思考法を具体的に教えて下さいました。先生が以前に共著で早稲田大学出版部から出版された How to Write an English Essay: What the Japanese Student Should Know のなかのエッセンスを言葉と図表でまとめられたものをハンドアウトとして配布されたことで、 より明確に先生の論理を追うことができ、参加者は生き生きと、先生のお話に聞き入り、 また、熱心に手を動かしていました。書くということは読み手との書き手のコミュニケーションの役割を果すという根本に基づき、 書く際には、まず、明晰な論理を組み立てること、そのためには論文の根幹となるThesis (Statement)が明示された導入部、 それを具体的に展開する本論、そして本論を概括しThesisを再度明確にする結論三つの根幹が、 最初に書き手のなかで整理されていることが必要である。このことを参加者に実感させる為に、 先生は参加者に1本のpaper/essayを書くことを前提に、topic/subjectを想定させ、この3つの根幹で自分が何を述べるのかを考え、 書かせて行かれました。学生は抽象的・一般的な大きな問題設定をしてしまう傾向にあります。 それでは、決して説得力のある論文は書けないこと、より絞り込みspecificな問題設定をしなければならないことを、 先生は参加者の間を歩き回って、個々の参加者が書いていることに、親しく、明るく意見を述べられました。 参加者もそれを実感して、楽しく学ぶことが出来たようです。また、細部は具体的に絞り込んだものでなければならないのと同時に、 導入部で読者を引き入れるLead-Inと結論部分には、Exitとして発展性のある普遍的問題が含むことで、 論文の重要性が増すことを強調されました。その点も参加者ははっきりと意識することができたようです。

 ここで学んだことは、英語の論理思考に基づいたものですが、日本語で論文を書く際にも、 共通に用いることが出来る根本的なものでした。しかもこれは一度身に付ければ一生使えるもので、 この1時間半は非常に貴重な機会を提供していただくものとなりました。本来1セメスター使って学ぶ内容を、 実にコンパクトにまとめて下さった先生のお力に感動すると同時に感謝しております。

 教室全体が一体となる、知的な暖かさに満ちた講演会となりました。(経済学部教授 真鍋晶子)