【2014/7/12 経済学部講演会の模様】

右でも左でもない「従軍慰安婦問題」の真実
−アメリカ・韓国・日本の取材報告−

ジャーナリスト 大高未貴

 今回は、政治的紛争地や各国の政治的リーダー・思想家など、世界100カ国以上を訪ねて、 迫真の報道記事を発表してこられたジャーナリスト大高未貴氏を招いて、今日外交問題にまで発展している 「従軍慰安婦」問題について、日本・韓国・アメリカでの取材をもとに、その真実の姿を講演いただいたものである。

 現在、韓国やアメリカ等で「慰安婦像」が各地に建てられ、「日本は戦前、韓国人女性20万人を慰安婦、 すなわち「性奴隷」として戦場に連行し、戦争が終わった直後、彼女らの多くを虐殺した」との言説が、 国際社会に広められ、今やナチスのホロコーストに比せられて、全世界に発信されつつある。講演では、 日本軍や政府が関与して韓国女性を「強制連行」したというのは全く事実と異なり、あくまでも民間の募集業者が、 時に甘言を弄しながらも募集したものであることが明らかにされ、すすんで、なぜこの問題が、 どのような経緯で「事実」として捻じ曲げられて政治問題化していったのかを、日本側の捏造書物の刊行、 新聞での「誤報道」、さらにそれに呼応した韓国側と日本側の動きが、 詳細な調査と聞き取り等に裏打ちされながら明らかにされた。

 また「性奴隷」ということも実態とかけ離れており、真実は、金銭を支払われた戦時の売春であった。 その中には高額の金銭を稼ぐものもいたが、しかしながらそれは、平時の売春と同様に見るのも誤りであり、 戦争という極限の状況のもとで、 死と直面しつつある兵士と慰安婦との根源的な人間同士の交流や複雑な心情をも正視すべきだと説かれた。 慰安婦たちの人権を真に回復するためには、事実が捏造されて政治利用され、日本を貶める「宣伝戦」 に利用される以前に慰安婦たちが残した歴史的記録に注目する必要があり、その中から真実の姿が現れてくることが力説された。

 大高氏の講演は、日本・韓国・アメリカ等で氏が自ら様々な関係者や研究者、 歴史的証人等を取材された体験に裏打ちされており、各国でのこの問題に対する政府や市民の対応にも光が当てられた。 その生の取材に基づく迫真の言葉が聴衆の心を打った。講演後は、会場から幾人もの質問があり、 大高氏は一つ一つ丁寧に答えられた。また氏を囲んで学生達とのざっくばらんな懇談会も催されて、 学生からの多様な質問に答えられた。参加者は、教職員5名、学生32名、社会人35名の計72名で、 盛況であった。 (文責:筒井正夫)