【2014/6/2 経済学部講演会の模様】

1/470の革命

三宅洋平
(音楽家/日本アーティスト有意識者会議代表)

今回は、「ものづくり、人づくり、地域づくり」という講義の特別企画も兼ねて、 ミュージシャンであり、政治家でもある三宅洋平さんをお招きして政治への市民参加などについてお話をうかがった。

地域づくりという観点からは、住民参加が一つの重要な要素であり、選挙もその参加の一形態である。 しかしながら、直近の衆議院総選挙でみると、 20代の若者の投票率(37.89%)が60代のそれ(74.93%)の約半分にしかなっていない(明るい選挙推進協会調べ)。 若者の人口はそもそも少なく、これでは若者の意見が政治に反映されることはない。 こうした事態の背景のひとつには、学校教育の中で、教員は正解のある事柄だけを教えて、 正解の無い政治的な話題はできるだけ忌避されてきたことがあると思われる。そんな中で、 やおら若者に「政治に興味を持て」「選挙に行け」というのも酷な話なのである。

三宅洋平さんは、2013年の参議院選挙(全国区)に立候補した。Tシャツ (実は有機栽培の麻素材というようなこだわりのあるものだが)に短パンといういでたちで、 音楽ライブのようにおこなわれたその選挙スタイルは「選挙フェス」と呼ばれ、 これまであまり関心がなかったと思われる若者層にも支持が広がった。 選挙期間中はツィッターやYoutubeなどを通じて彼の「異色の」選挙活動は広がった。 選挙結果こそ落選(17万票余りを獲得)というものだったが、 選挙後はマスコミもこぞって彼の選挙活動を取り上げた。

そんな三宅さんをお呼びして、「なぜ選挙に出ようと思ったのか」 「選挙フェスとは何だったのか」などについてうかがいながら、 若者の政治への関心を取り戻すことが出来たらという狙いがあった。

選挙フェスの時と変わらないラフないでたちに学生たちの多くは戸惑った様子であったが、 三宅さんの穏やかでかつ理知的な語り口に、みるみる引き込まれていったようであった。

ただ単に平和や護憲を叫んでいても、日本が現在「軍隊」を持っていることや(誇張されている面はあるにせよ) 外国からの侵略の可能性がゼロではないという事実に真剣に向き合うことなく平和や護憲を達成することは論理的に難しいといったことや、 情報過多の現代にあって迷ったときは現場に出かけて自らからが一次情報になることなど、 学生にとって今後の生き方に参考になる講演会だった(事後の学生の感想文でも同様の感想が多く寄せられていた)。

ジミ・ヘンドリクスはウッドストック(1969年)で爆撃音を重ねながら「星条旗よ永遠なれ」を弾いた。 ベトナム戦争への批判が込められていたものと思われるが、 三宅さんの大学の先生は英米比較論の最初の講義でその演奏を流して「ジミ・ヘンドリクスは教養です」と語ったという。 そのエピソードになぞらえて言うならば、三宅洋平も教養である、といえるだろう。

講演会には滋賀県知事(当時)の嘉田由起子さんも駆けつけて、 講演会終了後も会場外のスペースで三宅さんと嘉田さんを交えて2時間近くも参加者との語らいが続けられていたのが、印象的であった。

※当日の講演会の様子は講演会の参加者によってyoutubeにアップされているので、ぜひご覧頂きたい (http://youtu.be/M9oZT62Pu-A)

(中野 桂)