【2012/12/13 経済学部講演会の模様】

うまれる つながる ひろがる
〜菜の花プロジェクトの挑戦〜

藤井絢子
(菜の花プロジェクトネットワーク代表)

 今回は、滋賀県環境生活協同組合(2009年に解散し、現在は特定非営利活動法人 碧いびわ湖が事業を継承)の理事長として長年活躍され、日本における菜の花プロジェクトの創始 者としても有名なNPO法人菜の花プロジェクトネットワーク代表の藤井絢子氏にお話しいただいた。 お忙しい方であるが、「福島の原発事故を踏まえて、菜の花プロジェクトやドイツでの新エネルギ ーの取り組みを紹介していただけませんか」というお願いに対して、「学生に伝えたいことがある」 とすぐに快諾してくださった。

 藤井氏の取り組みは、一般には既に良く知られているので、簡単にだけ紹介しておく。70年代 後半からのせっけん運動のなかで廃食油を使ったせっけん作りが行われていたが、ドイツを訪問し た際に菜種油を使ったバイオディーゼルに出会う。そこで帰国後、菜の花を栽培し、そこからとれ る菜種油を料理などに使用、廃食油はバイオディーゼルとして利用する一連のシステムを作り上げ た。滋賀県愛東町(現東近江市)で1998年にたちあがった「菜の花プロジェクト」は、いまでは全 国に広まり、毎年開催されるようになった「全国菜の花サミット」は今年(2012年)で12回目にな った。

 その12回目の開催地となったのが福島であるが、福島第一原発事故以降、菜の花プロジェクトの 新しい可能性が注目されている。それは、チェルノブイリ近郊でも試されていることであるが、放 射能汚染された土壌で菜の花を育てた場合、その葉や茎には多少放射能が移行するが、菜種を絞っ た油そのものからは放射能が検出されないということから、放射能汚染された農地を菜種油の生産 に利用しながら、土壌中の放射能の除去を少しでも進めていくというものである。

 ドイツなどのヨーロッパと比較すると日本は自然エネルギーの宝庫であり、日本にも大きな可能 性があることを、藤井氏は示してくださった。 (文責:中野桂)