【2012/10/25 経済学部講演会の模様】

我々はこれからどう暮らすべきか
 −今、学生に伝えたいこと−

清水陽介(どっぽ村エコワークス代表)

 清水陽介氏は、松本茂夫氏らとともに滋賀県浅井郡湖北町に「どっぽ村」という村 を作り、活動をされている.主たる仕事は大工であるが、木製サッシの開発に取り組んだり、農業を したりと、一つの肩書きでは収まらない。

 「どっぽ村」を作るまでの道のりは文字通り波瀾万丈である.高校卒業でいったん就職するも、 いろいろと疑問を持ち、21歳の時に自転車で世界一周の旅に出る。今日どこで寝るか、何を食べる かだけを考えながら自転車をこぎ続ける中で「自分で作ることができる」ということの重みを実感。 25歳で帰国後に10年間大工として修行。その後に独立して、やがてどっぽ村の設立となる.

 自立、自給自足、など様々言葉がある中で、どれも固すぎると感じて、柔らかな響きの「どっぽ (独歩)」を村の名前にしたという.住む場所と食べるものが生活の基本であり、それらを作ること ができれば自立した歩みをすることができるということだ.

 いま、彼の元で大工の修行−と言うよりも生き方の修行−に全国各地から若者が集まる.意外にも、 T大やW大を卒業した者もいる.アメリカの大学を卒業して、金融業界で高給取りだった若者が、やは りクリック一つで多額のお金を動かして稼ぐ世界に疑問を感じて、彼の門を叩いた.

 「仕事は作ればある」「大人が生き生きと暮らす」「正しいことではなく、楽しいことをやろう」 「いくつかの仕事を持つべき」。講義の中で語られる言葉は珠玉だ。

 本講演会は「滋賀大学で環境を学ぶ」という授業の一環でもあり、地域の自然素材を使って、 建築時、生活時、そして解体時に至るまでのすべての段階において環境負荷を減らす建築を提案して 頂いた訳だが、単なる環境についての話というよりも、若者だけでなくすべての人にとって、我々は いかに暮らすべきかという示唆に富んだ講演であった.        (文責:中野桂)