【2012/7/1 経済学部講演会の模様】

IFRSを巡る最近の情勢について

山田辰己 氏
(有限責任あずさ監査法人パートナー
 前国際会計基準審議会(IASB)理事)

 IFRS(国際財務報告基準)は世界標準になると思いますか?講演会冒頭に 投げかけられたこのような質問に対して,挙手をした学生はまばらであった。改めて説明 するまでもなく,講演者である山田氏は,昨年6月までIASB(国際会計基準審議会)で実 際にIFRSの設定に携わってこられた世界でも数少ない存在である。かかるIFRSの第一人 者による講演は,これからの世界を担う若者に,少しでもIFRSについての理解を深めて もらいたいという熱意に満ち溢れていた。

 必ずしも積み上げ式の学修をしていない学生に対して,国際会計をめぐる最先端の話を することは容易ではない。氏は,IFRSの代表的な基準の内容を簡単に説明したうえで, 徐々に,コンバージェンスやアドプションの話題へと話を展開されていった。そして, のれんや開発費の処理など今なお残っているIFRSと日本基準との間の差異,資産負債ア プローチと測定属性をめぐる誤解など,重要な論点が,その基礎からわかりやすく解説 された。

 最後に,氏は英語の重要性を強調された。「国際化の時代に,英語に習熟していなけ れば,日本企業の国際展開についていくことはできない」との学生に対するメッセージ である。実際に英語を駆使して世界を舞台に活躍されてこられた氏のメッセージは重い。

 講演の締めくくりとして,氏は改めて問われた。IFRSは世界標準になると思いますか? 挙手をする学生の数は,確実に増えていた。
                                         (文責:山田康裕)