【2011/12/21 経済学部講演会の模様】

言語文化からみた日韓比較
−韓・日異文化間接触場面分析−

尹 錫任
(世宗大学校人文科学大学日語日文学科
 兼任教授)

 本講演会は、韓国から比較言語学の専門家を招聘して企画された。 尹錫任氏は、日本語と韓国語の動詞句の意味構造を、アスペクト的観点から比較対照す る研究に従事してきた。本講演会では、外国語を使用してビジネスをする場合、異文化 間の摩擦の多くは、語彙・文法知識のような「言語能力」よりは、伝統文化や日常生活 の文化を理解できる「社会文化能力」と、その社会の約束のような言語使用ルールであ る「社会言語能力」に起因することを説いた。

 また、講演会の後半では、外国語を学習する際、「社会文化能力」と「社会言語能力」 の不在がコミュニケーション上にもたらすトラブルの実態について、事例を用いながら 検討し、講演会参加者との議論も活発に行われた。参加者の多くが学生であったことか ら、主に、「学校」場面を対象とした具体的な談話展開事例を提示することにより、参 加者自身の言語運用への気づきを促し、コミュニケーション能力を見につけることをも ねらいとした。

 本講演会で取り上げられたテーマは、日本企業と韓国企業の母語以外の外国語戦略の違 い、言語文化からみたビジネス交渉における誤解の構造や、両言語の文法構造上の異同 について、尹氏の研究協力を得ながら今後も研究を継続していく一端として位置付けら れるものである。なお、本講演会は、企画者の平成23年度科学研究費助成事業(学術研 究助成基金助成金 基盤(C))「日本企業のグローバル化における言語戦略と組織能 力の構築に関する探索的研究」に関する共同研究の一部成果報告として開催されたもの であることを付記したい。
                                      経済学部教員 澤木聖子