【2011/11/16 経済学部講演会の模様】

確率制御とフィルタリングに関して

田村隆志(科学技術振興機構さきがけ研究員)

  11月16日(水)16時30分から18時分まで、経済学部545強同研究室におい て、科学技術振興機構さきがけ研究員の田村隆志氏に「確率制御とフィルタリングに関して」 をテーマとして、講演を行っていただきました。

 資産運用の最適化など金融市場の分析では確率モデルが用いられますが、そこで用いられる データは直接観測できるもので構成されるわけではなく推測値が利用されるます。したがっ てその推測されたデータの精度を高めるフィルタリングと確率制御が問題となります。講演 では、非線型マクロ経済モデルである動学的確率一般均衡(DSGE)モデルを数学的に厳密に処 理するための氏の研究成果が報告されました。このモデルはマクロ金融政策の確率制御、た とえば政策金利の経時的変更の効果の分析などに用いられうるものです。従来は、このモデ ルを扱う際には、定常状態の近傍で線型化を行って使われています。しかしゼロ金利制約な ど強い非線型性を持つモデルを解析する際には、この線形制御を使うことができません。氏 はこのような場合に適用しうる解析手法と数値計算法に関して、確率制御理論を用いた手法 に関する研究を進めておられます。

 講演では、既存理論・手法の問題点と氏の提案の意義がわかりやすく説明され質疑も活発に 行われました。参加者は少数でしたが、有意義な講演会となりました。   (小倉明浩)