【2011/11/6 経済学部講演会の模様】

J.S. バッハ VS G.F. ヘンデル
   〜聖と俗のはざ間で〜

大嶋義実(京都市立芸術大学教授)
ヤロスラフ・トゥーマ
   (プラハ芸術アカデミー准教授)

 11月6日(日)午後3時半から5時半まで、経済学部講堂において、京都市立芸術 大学大嶋義実教授とプラハ芸術アカデミー、ヤロスラフ・トゥーマ准教授によって、表題の講演と その内容をフルートとハープシコードによる演奏で実践的に示す「講演と公演」が行われました。 これは3月に行われたお二人による講演「クラシックコンサートの歴史〜18世紀の宮廷音楽を巡って〜」 の第二弾で、大嶋先生の専門的で学究的な内容をわかりやすく解説される講演とお二人の世界的音楽家 の演奏に、学生、教職員および一般市民の方々が楽しく学ぶことができる貴重な二回目の機会となりました。

 今回は奇しくも同じ年に生まれたドイツ古典音楽の偉大な才能バッハとヘンデルの全く異なる伝記的 足跡をその時代と土地のもつ特殊性とともに語られました。前回もそうでしたが、専門的な内容を実際 の演奏で裏打ちされるので、すぐに生きた知識となって受容することが可能となりました。ヘンデルの オペラ『クセルクセス』のなかの有名な「オンブラマイフ」で、聴衆はヘンデルの世界に引き込まれました。 続いてヘンデルとJ.S.バッハの『フルートと通奏低音のためのソナタ』と今回の中心的な作品を一気に 示されました。その後、バッハの生家に残る楽器の復元モデルであるチェンバロによるトゥーマ先生の ヘンデルのソロ演奏(『シャコンヌ』)で楽器チェンバロの説明が行われ、さらにチェンバロの可能性 を示すために宮城道雄の作品、さらにはピアソラの作品までを演奏して説明されました。後半は日本の 現代作曲家福島和男による『冥(めい)』で始まり、バッハとヘンデルのソナタが続きました。講堂内 の湿度が80パーセントを超えたために、湿気に弱いチェンバロがトラブルを起こし、中断して楽器を 調整しなければならない(トゥーマ先生と大嶋先生が協力して治されました)という思わぬハプニング も引き起こされましたが、大嶋先生のフルートの音にびっくりして小鳥がすさまじく歌いだすなど、自 然のなかで息づいている講堂の建物ならではの出来事と思われました。

 新聞諸社が取り上げて下さったために、市民の方々も来ていただき、大学祭の活気のなかで、学問が 楽しく暖かく歌いだすひとときでした。(経済学部教授 真鍋晶子)