【2011/9/20 経済学部講演会の模様】

城下町で文化資源を生かす!
:松江ゴーストツアーと造形美術展の取組から

小泉凡 (島根県立大学短期大学部教授
      小泉八雲記念館顧問)

  9月20日(火)10時半から12時まで、島根県立大学短期大学部教授・小泉八雲 記念館顧問の小泉凡先生に「城下町で文化資源を生かす!:松江ゴーストツアーと造形美術展の 取組から」の演題でご講演いただきました。小泉先生は、ご専門分野の民俗学で得られた知見を 基礎にして、曾祖父小泉八雲/ラフカディオ・ハーンが残した、ことばによる文化(文学作品)、 そしてその文学作品を生み出す母体となった松江という土地の文化のもつ可能性を掘り起こし、 今を生きる人の視点で生かされて、着地型観光を核に地域振興、町づくりをして来られました。 その経験を、画像とともに報告していただく楽しい講演会となりました。これは地域文化、特に 未評価の文化を観光・地域振興に位置づける「文化資源」という考え方を活用され成功されたものです。

 松江の「怪談」を「語り部」の語りによって楽しみながら、夕刻から夜にかけて2時間半ほど 町歩きをするゴーストツアー、さらにその発展形の、行く先は秘密にしてバスで異界に触れる ミステリーゴーストツアーは、ハーンがもっていた、そして本来人間が誰しももっているはずの 「五感」を活かして体験するものです。(「国土交通省ニューツーリズム創出・流通促進事業が、 この企画を採択したため「語り部」の教育・育成が可能となったそうです。」また、この「五感」 を活かす場を子どもに提供する「子ども塾」の塾長として、小泉先生は子どもに地域の魅力を伝え ることで、これからの松江を背負う世代の教育にも成功されています。

 また、2009年ギリシャと日本の友好110周年を記念して、ハーンをテーマにした造形美術作品の 作成ををWeb上で世界中に呼びかけた結果集まった47点がアテネで展示されたのですが、その作品 展を、ハーン生誕160年、来日120年を記念して2010年松江城、小泉八雲記念館などに移して開催され、 観光客誘致に成功されました。また、この機会に全国の八雲会が集まり各地で八雲を地域で生かす 可能性について検討されました。これが今回東北の被災地支援にも役立ったそうです。

 この他、shatter streetとなっていた所が自らの力で再生していかれた事例など、宍道湖のそばに 位置する城下町の取り組みについてのお話は、湖とお城という共通点をもつ彦根が参考にさせていた だける刺激的なものでした。聴衆には滋賀大学の学生、教職員だけではなく、彦根市の職員や彦根市 の町づくりに関わっておられる方々もおられ、今後の彦根の町づくりを考えて行ける貴重な場となり ました。なお、前日、小泉先生に彦根の町を見学していただいた際に、彦根市にお世話になったこと に、ここでお礼を申し上げたいと思います。    (経済学部教授 真鍋晶子)