【2010/5/29 経済学部ワークショップの模様】

<湖東地域町おこしワークショップ>
四番町スクエアの挑戦

寺田修(彦根市都市計画課課長)

  地方都市における中心商店街の衰退が指摘されて久しい。しかも、 中心商店街が地域共同体の核として担ってきた、ないし担いうる役割を顧慮すれば、 それは単に経済的問題にとどまらず、地域社会そのものを揺さぶる問題として憂慮さ れる。それだけに、まちづくり3法をはじめとしてさまざまな施策が講じられてきた。 だが、中心商店街の衰退は、クルマ社会への移行、高度消費社会の求めるショップの 専門性の深化といった現代社会の基礎構造に根ざす問題であるだけに、容易に解決さ れるものではない。そうしたなか、中心商店街の再活性化プロジェクトとして全国的 にも注目を浴びている試みに、地元彦根市の四番町スクエアがある。そこで、今回の ワークショップでは、このプロジェクトに深く関わってこられた彦根市都市計画課寺 田課長をお招きして、「四番町スクエアの挑戦」と題してご講演をいただいた。

 ご講演は、四番町スクエア(旧市場商店街)がどのような状況に陥っていたかの説 明から始まり、昭和50年代後半からの再生事業計画とその挫折、平成8年以降の若 手経営者による再チャレンジ、その結実としてのまちづくりの過程を、写真を交えて わかりやすく説明してくださり、また現在抱えている課題にも率直に触れてくださっ て、とても説得的であった。利害関心や制約条件を異にする住民と行政との協働のあ り方、さまざまな利害を調整しながら共通コンセプトを生み出し、さらにそれに即し た街のイメージを具体化してゆかれた過程での種々の工夫など教えられるところ多く、 とくに、まちづくりの主役はあくまで住民という姿勢、あるいは若手経営者の活動当初 に「産みの苦しみ」を経験していたからこそ、その後なんどか直面した大きな困難をも 乗りこえることができたという回想など、聴衆に深い印象を残したかと思う。

 参加した院生、学生から熱心かつ核心を衝いた質問が重ねられ、寺田課長も予定時間 をはるかに超えて懇切に回答くださった。大学院ワークショップ(公共政策T)として 初めて外部からゲストスピーカーをお招きしての記念すべき講演会であったが、それに ふさわしい実りある会となったことを喜ぶとともに、ご多忙ななかこうした機会を提供 くださった寺田課長にあらためて厚く御礼申し上げたい。                                            文責  梅澤直樹