【2011/3/5 経済学部講演会の模様】

クラシックコンサートの歴史
〜18世紀の宮廷音楽を巡って〜

大嶋義実(京都市立芸術大学教授)
ヤロスラフ・トゥーマ
   (プラハ芸術アカデミー准教授)

 2011年3月5日(土)18時から19時30分まで経済学部講堂において、京都市立芸術大学、 大嶋義実教授とプラハ芸術アカデミー、ヤロスラフ・トゥーマ准教授による、表題の講演とその内容を フルートとハープシコードによる演奏で実践的に示す「講演と公演」が行われた。

 18世紀における西洋音楽の発展について、貴族と音楽家、雇用する側とされる側、パトロンと音楽家、 聴衆と演奏者といった視点で、歴史、社会、文化と多面的な角度から総合的に展開され、さらにその論 のひとつひとつが、実際の演奏により紐解かれてゆくことで、参加者が実感しながら理解し鑑賞すると いう特別な形の講演会となった。J.S. バッハ「アヴェ・マリア」、「フルート・ソナタ ロ短調」、 ヘンデル「フルート・ソナタ ヘ長調」、ベンダ「ソナタ ト長調」、カッチーニ「アヴェ・マリア」 などの曲を世界的に活躍する2人の演奏家が、それぞれの楽器の豊かな可能性についての説明を交え ながら演奏することで、学術的な内容が生きる場となった。18世紀ヨーロッパの宮廷という狭い空間 で育まれた音楽が、時の経過とともに発展と変化を遂げ、広い世界で現代に脈々と生き続けていること が、タンゴを元にクラシックやジャズの要素を融合させたアルゼンチン出身のピアソラの「タンゴの歴 史」演奏により実証された。

 また、彦根市の『広報ひこね』に事前に掲載されため、一般市民も楽しめる地域に開かれた大学とし ての機能も果たせた。使用されたハープシコードは、プラハ郊外にアトリエをもつ、F.ヴィフナーレ ク氏製作のジャーマンタイプ、ドイツ・アイゼナハのバッハ博物館(バッハの生家)に残る楽器の復元 モデルで、大嶋氏、トゥーマ氏自身で当日運び込み調律されたのだが、休憩時間にも、講堂の演壇に置 かれたこの珍しい楽器の周りに人が集まり、観察・鑑賞する姿も見られ、それぞれの参加者が学術的に 高度で深淵な講演の内容を、自分なりの経験として活かせる事ができる貴重な機会となった。(真鍋晶子)