【2010/8/5 経済学部講演会の模様】

情報教育環境の改善と取組み事例
−次期仕様策定に向けて−

鈴木裕利(中部大学・准教授)
入部百合絵(豊橋技術科学大学・助教)

 本学は情報処理教育施設の仕様策定を次年度に控えている。そこで教育効果の向上につ ながる教育工学各方面の取り組みを紹介し、ハード面とソフト面の設備選択の参考になる 講演を外部講師に依頼した。題目は以下の2つである。

1.音声認識・合成技術を用いた語学発音教育のためのeラーニングシステム
2.創造性教育における学習環境構築と評価フレームワークの実践に関する報告

 前者は入部氏により先ず市販の各eラーニング・ソフトの現場での効果等を検証し、改善 提案を示された。具体的にデジタル音源聴音と学習者の発生音のフィードバックの必要性 からリアルタイムに学習者発生音のケプストラム分析や音素のネットワーク文法構築によ る「音声認識器」を設計して役立てている。また学習者音源と同時に口腔内断面アニメー ションと口唇アニメーションも同時表示する工夫により、発話のインスピレーション育成 のヒントも与えている。技術的難度の高いリンキングやリエゾンなどによる連単語の扱い や音素の脱落例も紹介されシステムとしての品質の高さが実感できた。聴講者の素直な感 想から、商品化された際の価格と実際の教育効果などの質問があり関心の高さが見られた。

 2つめはアンケート調査実施する際の目安をどうすべきかという内容であり、予定調和 的ではないが「何を見出したいか」が先にあり、それに備えて用意すべきアンケート選択 肢候補が決まるというものである。例えば数値的結果を求めたい場合とキーワードとして 具体的に「マクロ経済学」という特定専門用語を見極めたいかにより、用意すべきアンケー トが異なる。この背景は回答者側が「何を問われているか」さえ理解できていない状況が 多々あり、FD活動での授業評価アンケートにおいてもしばしば気付かされる点であろう。

 高等教育では上手なアンケート集計と分析を行い、結果をフィードバックして教育改善 に求められる。鈴木氏は前述の科学的方針に基き学生の理解度を把握する工夫を「グルー プによる製作過程」において先ず創造性の定義を行い、ロボット設計を通じ強調性や問題 解決スキルの客観的評価を再確認し、その方向性の妥当性を示された。