【2009/11/09 経済学部ワークショップの模様】

<Asian Studies Workshop 伍>
敗戦後、瀋陽(旧奉天)の日僑学校の状況について ―大連の日僑学校との比較的考察―

瀧 陽子(早稲田大学演劇博物館
      グローバルCOE研究員)

  瀧(木村)陽子さんの報告は、研究をすすめてゆくなかで、 どのようにして、滋賀大学経済経営研究所が所蔵する「満洲引揚資料」のなかの 、「東北日籍学校状況報告」「東北日籍学校沿革概要」という資料にゆきついた のかをたどりなおす内容だった。先行研究がまったくないという、1945年の敗戦 後の瀋陽における日籍学校についての資料をどのようにみつけることとなったの か、その軌跡を示した報告は、これから研究を始めようとするひとたちへの資料 調査案内ともなるだろう。

 報告内容は、今年度中に発行する予定の滋賀大学経済学部Working Paper Series 参照していただくとしよう。

 「満洲国」は日本ではないが、その歴史は日本史において記述されることがある。 1945年8月以降の中国東北社会のようすは、引揚げという事態とのかかわりで日本 史のなかに組み入れられることがあったくらいではないだろうか。しかし、1945 年10月には瀋陽で、日本人のかよう小中学校の授業が再開されたという。この日 本人による〈戦後〉の胎動は、中国史に記されるのだろうか。しかもその資料の 所在がこれまでわからなかったのだ。

 瀧さんの仕事により、わたしたちは、自分たちの所蔵する資料をもとに、これま でとは異なる歴史叙述の可能性を教えられた。                     (阿部安成。出席者5名)