【2009/6/24 経済学部ワークショップの模様】

<Asian Studies Workshop 伍>
京都府立総合資料館所蔵満洲引揚資料に
ついて

福島幸宏(京都府立総合資料館歴史資料課)


  わたしたち滋賀大学経済経営研究所が所蔵している「満洲引揚資料」の整理と活用を活性化させるために、京都府の行政にかかわる「満洲引揚資料」を所蔵している京都府立総合資料館の福島幸宏さんにご報告をお願いした。

  わたしたちの研究所にとっては、「満洲引揚資料」という区分ははっきりとしていて、ほかのコレクションとは、資料があらわす内容、その作成の経緯、所蔵の由来がまったく異なっている。だが、京都立府総合資料館では、所蔵資料のなかで「満洲引揚資料」という明確な区分はなく、「多様な資料の、でも重要な一部」だということである。

 その重要さとは、舞鶴のある京都府としては「引揚と定着」という戦後京都史の課題を考えるときの資料となるということ、しかもここで「戦後」というとき、京都府では現在も引揚援護がおこなわれ、その文書が作られつづけているため、したがって、現在にいたるまでのとても長い時間が戦後史であることをあらわす資料群であること、そして、地方にある引揚関係資料としては、沖縄県をのぞくと、京都府のそれが量において最大規模かもしれないこと、が紹介された。

  報告内容の「受入の経緯:援護関係資料の受入」「資料群の概要」「資料群摘要:状況調査と援護」については、べつに公開する滋賀大学Working Paper Seriesを参照のこと。   同じく、「満洲引揚資料」といっても、研究所所蔵の資料と京都府立総合資料館のそれとは大きく異なる。それは、後者が、「行政的には決着がつきつつある」とはいえ、現在もおこなわれている業務にかかわる文書の総体であること。このことがあらわしている事態は、「現代史」という区分の再考である。

  戦争体験者がいなくなりつつある現在、「戦後」という事象も歴史となりつつある。(阿部安成。出席者4名)。