【2009/5/28 経済学部ワークショップの模様】

地域経済イノヴェーション&地域ブランド研究会・近現代地域問題研究会

彦根の近現代を切り開いた地場産業(1)
彦根バルブの挑戦―歴史と現状―

廣瀬一輝(廣瀬バルブ工業株式会社社長)


今回は、近現代地域問題研究会&地域経済イノヴェーション&地域ブランド研究会合同のワークショップであるとともに、学生を対象にした2つのプロジェクト科目としても実施され、さらに本学の創立60周年記念事業の一環として位置づけられ、また彦根市の井伊直弼と開国150年祭の後援も得ることができた。

彦根のバルブ業界を戦前からリードされてきた廣瀬バルブの廣瀬一輝社長をお招きして講演いただいた。講演では、彦根バルブや廣瀬バルブの歴史を紹介しながら、特に戦後において、油性バルブへの転換を図り、さらに高い昇圧能力を持ちながらコンパクトでモーターとポンプの機能を併せ持つRINTの製造へ進み、さらに高圧の水流を用いるアクアドライブへと、イノヴェーションを繰り返しつつ、新たな需要を開拓していった発展 過程が、様々な興味深いエピソードも交えてわかりやすく紹介された。またそうした発展の中で培われてきた、大手取引先との「横請け」といった自立的関係や従業員を大事にする「労使よし」の経営理念についても説明がなされた。

講演後は、会場から実に活発な質問や感想が寄せられた。特に、大手企業の下請けではなく「横請け」という自立的な関係構築の秘訣や、イノヴェーションの過程で避けることの出来ない労働過程の再編の問題などに、話題が集まった。

今次の大不況の中で、どのようにしたら地元の中小企業が独自の技術を活かしながら切り抜けていくことが出来るのか、そうした現実的な問題を考える上でも有意義な講演会であった。

※ 参加者 学生40名 教員10名 社会人40名 計90名                (筒井正夫)