【2010/1/14 経済学部講演会の模様】

環境生協からNPO法人「碧いびわ湖」へ
の展開

村上 悟 (NPO法人「碧いびわ湖」代表理事)

 滋賀大学で環境を学ぶという科目では、セメスターに一度、身近なところで 興味深い環境問題への取り組みを展開されている方をゲストスピーカーにお招きして、受講生 にフィールド感覚で環境問題を学んでもらうことを企画してきた。今年度は、特定非営利活 動法人「碧いびわ湖」代表理事の村上悟氏が快くゲストスピーカーをお引き受けくださり、 経済経営研究所主催の公開講演会として貴重なお話をうかがうことができた。

 講演は、第1部「環境と経済の密接な関係」、第2部「生活者に秘められた力」、第3部 「住まいづくりと社会づくり」、第4部「『買い物』と『暮らし』の転換で持続可能な滋賀 をつくる」の4部構成であった。ちょうど八ッ場ダムが話題を呼んだ後だったこともあり、 自らの故郷である湖北の丹生ダム計画を対象に、過疎地域という経済状況とダム計画の不可 分な関係や地元の人々の葛藤を説かれた第1部は受講生の関心を強く引いた。また、「碧い びわ湖」の前身である滋賀県環境生協の活動を紹介された第2部、自分でお米を育て、部屋 を改造することを通じて得た、「ものをつくることの手応え」を説かれた第3部は、大学卒 業後の自分史を振り返りながら体験した葛藤をも交えて話され、受講生にはすぐ将来の世界 に通じる話として身近に受け止められた。こうした体験に裏打ちされたうえでのものであっ ただけに、「碧いびわ湖」にかける想いや構想を語られた第4部も共感を呼んだ。

 講演後に学生から提出されたレポートからは、体験に裏付けられた講演のインパクトの強さ をあらためて感じた。何かしたいけれど何をしてよいかわからないと迷っている現代の若者 に、「頭で考えてばかりいないでまず現場に飛び込んでみよう」、「『自分ひとりぐらい』 から『自分一人から』へ」というメッセージは十分伝わったこともわかる。碧いびわ湖でイ ンターンシップを経験してみたいという受講生も数名現れた。よい講演を聴かせてくださっ た村上氏にあらためて感謝したい。
                                                文責 梅澤直樹