【2009/6/2 経済学部講演会の模様】

生活設計と生命保険

高地 貞雄
((財)生命保険文化センター生活情報室次長)

 私たちの社会を取り巻く経済的なリスク(死亡、医療、老後、介護など)に備える生活保障手段として、@公的保障(年金制度や健康保険など)、A企業保障(企業年金や退職金など)、B個人保障(公的保障を補完する意味で自ら準備する部分)、の3つの柱が紹介され、少子・高齢化のデータなどをもとに、わが国においては、とりわけ、B個人保障の必要性が高まっているとの説明が行われた。また、生命保険は個人保障の中心的な手段であるとして、わが国の生命保険の世帯加入率(平成18年度:87.5%)や年間払込み保険料(平成18年度:52.6万円)のデータが紹介されたほか、生命保険の仕組みとしては、相互扶助の考え方を基本としており、@収支相等の原則(保険料の総額と保険金の総額が等しくなること)と、A大数の法則(数少ない経験では偶然にみえることでもたくさんの事例を集めることにより統計的に一定の値に近づくこと)によって導き出された年齢別・性別の死亡率などをもとに基本設計がされていること、過去の病歴や現在の健康状態、職業などを保険会社に正しく告知する義務は保険加入者間の公平を保つためにも必要であることなどの説明がなされた。さらに、リスクへの備えとしての保険と目標額を貯めるための預貯金との違いの説明が行われ、これらは個人の用途に応じた使い分けが大切であることが強調されたほか、生命保険の基本的種類として、@死亡保障目的である定期保険、養老保険及び終身保険、A医療保障目的である医療保険やがん保険、B老後保障目的である個人年金保険の仕組みの説明や保険料水準の実例などが紹介された。最後に、生命保険を契約する際には、@加入目的、A保障額、B保険期間、の3つの要素を十分考慮した上で、自分のニーズに合った適切な保険を選択してほしいとの発言があった。

 なお、聴講者からは、「これまでは保険の知識がなかったが、保険の役割や仕組みを理解することができ、とても有意義であった」「今回の講演をきっかけとして保険や年金のことを考えていきたい」「保険商品の特徴がわかったので、将来の契約の際には役立てたい」等の意見が多く出された。

 本講演会の開催に当たってご尽力いただいた(財)生命保険文化センター(注)の関係者の方々に対して、改めて感謝の意を表したい。(参加者約40名)

(注)本講演会は、同協会が無償で提供する「生命保険実学講座」に基づいて行われたものである。
                                     (経済学部准教授 原村健二)