【2009/5/26 経済学部講演会の模様】

ノンバンクの役割とローン・クレジットの仕組みについて

春口 博文 (日本貸金業協会 広報委員)
英 雅之 (日本貸金業協会 企画調査部)

 1)春口博文氏の講演
ノンバンク(銀行などの金融機関以外の融資を行う金融会社の総称)の役割の説明の後、業界規模・貸付金利水準のデータの紹介のほか、ローンとクレジットの仕組みやメリット・デメリット、それらの審査等を行うための個人信用情報機関についての説明が行われた。また、データをもとに、自己破産件数と失業・離婚等の人生における悪いイベントの発生は関連があることが示されたほか、多重債務問題という社会問題を受けて改正された貸金業法のうち、2010年6月施行予定の@出資法の上限金利の引下げ(29.2%→20%)とA総量規制(年収の3分の1超の貸付けの原則禁止)についての詳細な説明が行われた。最後に、貸金業法改正や過払金の返還などを受けて、消費者金融業界を取り巻く環境は厳しくなってきているが、個人等に対する即時の小口、少額という資金ニーズは必ず存在しており、この分野における審査・管理のノウハウを持つ業界としては、これらのニーズにしっかりと対応することで社会的使命を果たしてまいりたいとの抱負が語られた。

2)英雅之氏の講演
最近の金融被害(「振り込め詐欺」)の発生件数・金額等のデータが紹介されて、金融被害は若年層にも広がっていること、金融被害に遭う原因としては、被害者側の「お金」に対する知識不足や「安易・単純」に判断する判断力不足、さらには、最近では「だます側」が高度な知識を持っており手口が巧妙化してきていることの説明が行われた。また、雑誌等への偽の広告による高利貸し、登録業者の広告キャラクターなどを無断で使用した偽ダイレクトメールによる「貸します詐欺」、名義貸しによる「アルバイト詐欺」などの最近の悪徳業者による金融被害の事例が紹介された。最後に、金融被害にあわないためには、@悪質業者からの誘いや不当な要求は無視し、個人情報を決して提供しないこと、A「お金を先に振り込んでくれ」といった言葉はまず疑うこと、B1人で悩まず、親族や友人、消費生活センターに相談すること、C被害にあった場合はすぐに警察に届け出ること、が強調された。

なお、聴講者からは、「これまではよく知らなかった(あるいはイメージが悪かった)ノンバンク業界の意義や役割を知ることができてとても有意義であった」「貸金業法改正の背景と内容がよく理解できた」「多重債務問題や悪質な金融被害の手口がわかったので、今後は注意したい」等の意見が多く出された。

本講演会の開催に当たってご尽力いただいた日本貸金業協会(注)の関係者の方々に対して、改めて感謝の意を表したい。(参加者約50名)

(注)本講演会は、同協会の講師派遣制度に基づいて無償で提供されたものである。
                                      (経済学部准教授 原村健二)