【2009/3/17 定例研究会の模様】

日本企業における国際R&Dの
マネジメント

竹中厚雄 准教授

  本報告では、製造企業における国際R&Dに関して、先行研究を概観した上で、新たな視点からの若干の実証分析を行った。

  製造企業の国際化は、輸出、販売、生産活動を経て、今日ではR&D活動にまで及んでいる。人材や知識の地理的・組織的な分散化と偏在化、先進工業国における研究開発コストの上昇、技術革新の加速化、各国市場ニーズの多様化といった様々な国際環境の変化を背景として、各国の企業が国際競争力を高めていく上で、R&Dの国際化は戦略的に重要な問題となっている。日本の製造企業においても、国際R&Dは特に1980年代後半以降活発化し始め、その傾向は近年まで一貫して継続していることが、各種データや研究調査等から確認されている。

  国際R&Dに関する研究は、おおよそ1970年代から見受けられる。国際R&Dの実施要因や海外R&D拠点の役割、実施内容などの定性的・定量的分析等を経て、近年ではその成果の分析へと研究が展開している。先行研究では、国際R&Dの成果は主に事例研究などで明らかにされるほか、質問紙調査や、企業による特許の取得をR&Dの成果の代理指標とすることによって計測されてきた。

  以上の研究の展開を踏まえた上で、本報告では米国特許データベースを利用して、日本企業の海外R&D拠点による新規技術領域の探索という側面から若干の分析を行った。 (竹中厚雄)