【2008/5/1 経済学部講演会の模様】

バングラデシュ都市部における
貧困地区住民の所得水準と
ソーシャル・キャピタル

石田 章
(島根大学生物資源学部准教授)

  「ソーシャル・キャピタル」は、開発経済学において、貧困問題解決の鍵の一つとして注目されている。ただ、「ソーシャル・キャピタル」については、その重要性が指摘されているにもかかわらず、実証的に効果の確認を行った研究は豊富とはいえない。本研究報告は、その空白を埋めようとしたものであり、興味深い報告であった。
 具体的には、バングラデシュ貧困地域の個表データを用い、貧困層間のネットワークや地域への参加という「ソーシャル・キャピタル」と所得水準の間の関係を分位点回帰によって分析を行われた。その結果、「ソーシャル・キャピタル」の水準が、所得水準にプラス影響をもつこと、所得階層によって効果の大きい「ソーシャル・キャピタル」が異なることが確認された。
 報告後の質疑は、「ソーシャル・キャピタル」と貧困問題への政策のあり方をめぐって、活発に行われ、本学の今後の研究活動にも大いに刺激をあたえる講演会となった。